【五輪予想図】どうやって決まる?東京五輪、各局放送権

 五輪の中継はNHKや民放各局などが放送し、名場面や感動の瞬間を視聴者に伝えている。大きな役割りを担う各局は多数の種目がある中で、各競技の放送権をどのように決めているのだろうか。

 放送権取得は数年前から始まる。2014年6月、NHKと民放で構成される放送機構「ジャパンコンソーシアム(JC)」が18~24年の五輪4大会の放送権を計1100億円で一括取得することを、国際オリンピック委員会(IOC)と合意。20年の東京夏季五輪は18年の平昌冬季五輪と合わせて計660億円という内訳だった。

 一般的には競技日程が決まると、第一段階としてNHKと民放連で話し合い、放送種目を割り振る。第二段階で民放5局が各競技をバランスよくまとめてパッケージ化した放送権を抽選順に選ぶ。

 NHKと民放連によると、各大会ごとに割り振る日程は異なるといい、東京五輪については、これから徐々に決まっていくという。

 複数のテレビ局関係者によると、民放間の五輪放送権は各競技がパッケージ化された「中身の見える福袋」を選ぶといい、「今回も同じ形になると思います」と想定している。

 各局は視聴率が期待できる種目の獲得へ向けて戦略を練り、抽選には編成局長やスポーツ局長の出席が多いという。テレビ朝日なら水泳、TBSなら陸上、フジテレビなら柔道など、各局は自局で放送してきた種目の入っている“福袋”に注目する。現場が中継のノウハウを持つ競技を望む一方、編成はその種目の放送時間が元々、視聴率を取れている場合、違う時間帯の種目で勝負したいとも考える。局内でも意見が割れるなど、選択は一筋縄ではいかない。

 人気種目は一発勝負でメダルが決まる男女マラソンという。ただ、東京五輪は男女ともに日曜の早朝放送。ゴールデン帯でない早朝を避けるか、休日の日曜朝なら早起きして見る人も多いと捉えるか、迷いどころという。

 放送種目は違えど、放送界全体で五輪を盛り上げていくことに変わりはない。中継アナウンサーは専門知識を持つ競技によって事前に割り振るため、他局で実況することもある。局の垣根を越え、今回も一体となって東京五輪の感動を伝えていく。

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