大坂、新コーチにジェンキンス氏 バイン前コーチと多くの共通点
女子テニスで世界ランキング1位の大坂なおみ(21)=日清食品=の新しいコーチを、米国協会の女子ナショナルコーチのジャーメーン・ジェンキンス氏(34)=米国=が務めることが2月28日、関係者の話で分かった。大坂は自身のツイッターとインスタグラムを更新し、新コーチの加入を発表した。
ドバイで涙に暮れてから約1週間。大坂はインスタグラムでジェンキンス氏ら4人で撮影した写真とともに「チームと夕食を共にしました。この機会に、ジャーメーンが私たちのチームに参加してくれること、一緒に闘ってくれることになったことに感謝します」と伝えた。
迅速に決めた新コーチは選手時代に無名で年齢は30代。前任者と共通点が多い。前コーチのサーシャ・バイン氏は元世界ランキング1位のウィリアムズ姉妹の妹セリーナの元練習相手。ジェンキンス氏は15年7月から姉ビーナスのヒッティング・パートナーを務めた。保守的な性格の大坂は、急激な変化を望まなかったといえる。
新コーチの条件について大坂は「ポジティブな思考の人。顔色をうかがうのではなく、直接的にものを言ってくれる人がいい」と話していた。世間の注目を浴び、重圧も感じた。テニスでの成功以上に「朝起きて、幸福感を持ってプレーをすること」を大事にしており、性格的な相性を重要視して選んだとみられる。
大坂は1月の全豪オープンを制し、アジア勢初の世界ランク1位に立ったが、2月11日にバイン氏とのコーチ契約解消を電撃的に発表。コーチ不在で臨んだ2月のドバイ選手権は、初戦の2回戦で格下のムラデノビッチに完敗した。
次戦のBNPパリバ・オープン(3月6日開幕、米カリフォルニア州・インディアンウェルズ)は、大坂が昨年ツアー初優勝を果たした大会。早期敗退ならランキングのポイントを大きく失うだけに、早急な立て直しが必要だった。その点、ジェンキンス氏は米国協会の女子ナショナルコーチに選任され戦術面や技術面の強化も期待できる。新体制で大会連覇を目指す。