アマボクシング合宿“山根式”から改革 選手会も発足
昨年9月に新体制となった日本ボクシング連盟に選手会が発足したことが1日、明らかになった。この日から2020年東京五輪を目指す代表候補合宿が東京都内の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で始まり、内田貞信会長が明かした。選手会は先月発足し、16年リオデジャネイロ五輪代表の成松大介(29)=自衛隊=が初代会長に就任した。成松ら男子5人、女子3人の委員で運営していく。
選手会発足について、内田会長は「問題や要望があれば日本連盟が対応する。できる限り選手の声を連盟に上げてもらう」と説明。山根明前会長体制での強権的な組織運営から脱却し、「選手ファースト」の第一歩を踏み出し風通しのよい組織を目指す。
内田会長は「一番しっかりしていて経験も実績もある」と成松の手腕に期待。前体制では、自身への助成金が意思に反して不正流用された苦い経験があるオリンピアンは「意見を聞いて進めていきたい」と前向きに語った。
また、合宿初日はボクシングの練習はほとんどなく、フットサルで汗を流すなど新たな試みも見られた。内田会長は球技を取り入れた理由を「海外に習った」と説明。今合宿では、日本連盟トップアスリート担当コーチのウラジミール・シン氏(ウズベキスタン)が中心となって練習メニューを決めており、内田会長も米国遠征でバスケやサッカーなどを取り入れているのを見て参考にしたという。
また、参加人数も変わった。これまでの合宿は各階級1人に練習パートナーという組み合わせが多く、招集される選手の選考は山根前会長ら上層部のトップダウンだった。しかし、今回は全日本、社会人、大学生王者など成績を残した約40人が集結。各階級に複数の選手がおり「より競争意識を持たせる」と同会長は意図を説明した。成松は「(日本連盟の)騒動の前より明るくなった」と合宿のようすを語った。
今回、初めてアマ合宿に参加したプロの元4団体制覇王者、高山勝成(35)=名古屋産大=だけでなく、近大ヘッドコーチで元WBA世界スーパーフライ級王者の名城信男氏(37)も指導者として日本連盟の合宿に初参加するなどプロアマの壁も融和している。合宿は4日まで行われる。