高木美帆が総合首位発進「もくろみ通り」
「スピードスケート・世界選手権」(2日、カルガリー)
前半2種目が行われ、昨年女王の高木美帆(24)=日体大助手=が500メートルで2位に1秒24差をつける37秒22の1位、3000メートルで4分0秒16の8位となり総合トップに立った。3000メートルで3分53秒31の世界新記録をマークしたマルティナ・サブリコバ(チェコ)が総合2位。男子は昨年王者のパトリック・ルスト(オランダ)が総合首位で土屋陸(日本電産サンキョー)が9位、土屋良輔(メモリード)が12位となった。
描いていたプラン通りだった。女子の高木美は500メートルで2位に1秒24もの差をつけた。3000メートルは8位にとどまったものの4分0秒16のタイムは及第点。総合首位で折り返し「大体はもくろみ通り」と2年連続の逃げ切り態勢をつくった。
長足の進歩を遂げたスプリント力を発揮した。500メートルの37秒22は、同じリンクで行われた昨季W杯で4位に相当。この大会では異色のスピードで観客をどよめかせながら「悪くはないが、もうちょっといけそう」と冷静に言ってのけた。
最終の5000メートルに換算すると、サブリコバを10秒近くリードして最終日を迎える。総合2連覇へ大きく前進したが、3000メートルで世界記録を塗り替えた長距離の第一人者の好調ぶりを考えれば、3レース目の1500メートルで差を広げておきたい。「逃げ切り型としてやるべきは、目の前の一本を滑り切るだけ」。女王の座を守るため、集中力を研ぎ澄ます。