【東京へ駆ける・卓球の観戦ポイント(1)】「チョレイ」「サー」0.2秒の心理戦

 卓球の世界選手権(4月21~28日、ブダペスト)の代表が決まり、2020年東京五輪への機運が高まっている。男子の張本智和(15)=エリートアカデミー、女子の伊藤美誠(18)=スターツ=ら成長著しい若手を中心に、選手の技術も人気も上昇一途。誰もが一度は経験がある「やる競技」から、高度な技術を「見る競技」へ。初心者でもわかる卓球の観戦ポイントを元日本代表監督で近大名誉教授の高島規郎氏(67)が解説。「チョレイ!」の謎にも迫る。その1。

  ◇  ◇

 卓球観戦で一番気になるのが「チョレイ!」や「サー!」などの雄たけび。張本や福原愛さんに限ったことではなく、小学生の試合でもよく見られる光景だ。これは卓球が他競技に比べていかに高速で行われているかの証し。高島氏が説明する。

 「バドミントンは初速が時速300キロと言われるが、相手との距離が離れている。一方、卓球のプラスチック球は1分間に最速150回転かかり、時速は140キロと言われている、スマッシュ系で打つと相手のラケットから自分のラケットに到達するまで0・2秒。全身反応測定(敏しょう性の調査)では、どんなアスリートでも合図に反応して移動する速さは0・3秒はかかる。つまりボールを見てから反応しても遅い。それでも、相手の球を打ち返せるのは予測しているから。卓球は予測の競技です」

 例えば、サーブを打った選手が相手レシーブを強打して3球目で得点するのは、サーブの時点でどんなレシーブが来るか予測しているから。レシーブを見て反応する時間はない。しかも…。

 「卓球は、コンタクトがない対人競技では一番相手との距離が近く、卓球台をはさんで2メートルくらいで相手の心理が非常にわかりやすい。相手の威圧に負けないように集中力を高めて声を出す人と、まったく無表情な人に分かれます」

 確かに、雄たけびを上げる張本に対して伊藤美誠はポーカーフェース。0・2秒の心理戦だからこそ、それぞれの形がある。その一つが「チョレイ!」なのだ。

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