川内優輝 大迫棄権に持論「スパッと止めるのもプロ。ただ、私なら意識が続く限り」
びわ湖毎日マラソン(10日・皇子山陸上競技場発着、42・195キロ)を控えた9日、“最強公務員ランナー”川内優輝(32)=埼玉県庁=ら招待選手が大津市内で記者会見を行った。
3月末に埼玉県庁を退職し、4月からはプロ選手として活動する川内は、これが公務員として最後のフルマラソン。「埼玉県庁のユニホームを着て走るのは最後。8年間ぐらいこのユニホームで、埼玉県庁を背負ってやってきたので、感慨深いものがある。当時は24歳で今は32歳。ずいぶん歳をとった」とうなずきながら、「より高みを目指すためのプロ転向。いい走りをして次のステージにいきたい。いい走りで区切りをつけたい」と、瞳をぎらつかせた。
先日の東京マラソンでは日本記録保持者の大迫傑(27)が29キロで途中棄権したのを始め、MGCの権利を持つ有力選手たちが気温6度を下回り、冷たい雨が降るコンディションに苦しんだ。川内は「難しいですね。プロには2種類あって、スパッと止めるのもよくあるプロの形だと思う」と一定の理解を示しながら、過去91回のフルマラソンで棄権なし男は「一概にどっちがいいとは言えないが、同じ状態なら私なら意識が続く限り這ってでもゴールにいく」と、キッパリ。過去2011年の隠岐の島ウルトラマラソン(50キロ)で一度意識を失って救急搬送されたことがあるが「自分の意志で止めたことはない」と、胸を張った。
大迫、設楽ら若手選手の台頭に「発言も強気ですし、若い頃の自分もああだったなと」と刺激を受けつつ「(プロになって)夏を越えたら見てろよと思ってる」と、鼻息を荒くした川内。独自のマラソン観を持つ32歳は、まだまだ日本男子マラソンを面白くする。