谷本観月、転んでもMGC獲得 給水所でのアクシデントも「ここで立て直せた」
「名古屋ウィメンズマラソン」(10日、ナゴヤドーム発着)
2020年東京五輪のマラソン代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」(9月15日)出場権を懸けて行われた。16年リオデジャネイロ五輪代表で、今年1月の大阪国際女子で転倒し、途中棄権した福士加代子(ワコール)が2時間24分9秒で日本人2位の8位に入賞。福士を含む計5人が新たにMGC出場権を得た。レースはヘラリア・ジョハネス(ナミビア)が2時間22分25秒で優勝した。
転んでも、ただで起きなかったのは福士だけじゃない。2時間25分28秒、日本人5位の11位でMGCに滑り込んだ24歳の谷本観月(天満屋)は、第2グループにいた15キロの給水所で他選手と接触して転倒。前方に転んですぐに立ち上がったが、一度は集団に後れをとった。
しかし、慌てることなく徐々に差をつめ、40キロ以降のラップタイムは日本人2番目。転倒に慌てることがなかったのは「そこまでがきつかったので、1回ここで立て直せたらという気持ちになったから」と不運を好機に変えた。
広島・鈴峯女子高時代に全国レベルの目立った成績はなく「天満屋に入社できたことが自分の大きなターニングポイントとなった」と言う。最初はマラソンは眼中になかったが「先輩たちの姿を追いながら私もマラソンをやりたいと思った」と遅咲きは、自己ベストを約6分も短縮した。大舞台にはチームメートの小原怜、前田穂南の2人とともに挑む。