桃田賢斗が伝統の大会で初V 被災地に捧げた日本勢初制覇「福島県が自分の土台」

 「バドミントン・全英オープン」(10日、バーミンガム)

 各種目の決勝が行われ、男子シングルスで世界ランキング1位の桃田賢斗(24)=NTT東日本=が同6位ビクトル・アクセルセン(デンマーク)に2-1で競り勝ち、初優勝を果たした。109回目を迎えた伝統の大会で日本勢が同種目を制するのは初めて。昨夏の世界選手権制覇に続くタイトル獲得となった。5月から本格化する2020年東京五輪出場権争いに弾みをつける優勝となった。

 決勝が行われたのは日本時間で3月11日だった。福島県の中学、高校に通った桃田にとって忘れられない、東日本大震災に見舞われた日。「コートに立つ前にそのことを考えた。まだ心に傷を負っている方もいると思う。そういう方のためにも簡単に諦めるわけにはいかないと思っていた」。優勝を決めた後の言葉には自然と気持ちがこもった。

 第1ゲームを鮮やかに先取したが、第2ゲームは完全に相手の勢いに押された。194センチの長身から次々とスマッシュを打ち込まれ「どうしようかなという感じだった」という。最終ゲームに入っても劣勢は続き、0-4となって切り替えた。

 剛の相手には柔。ネット際から相手のネットぎりぎりへの得意ショット「ヘアピン」に活路を見いだし、相手の勢いを断った。中盤以降は得点のたびにガッツポーズ。自らを奮い立たせて一気に押し切った。

 「福島県で6年間、中高の時を過ごしたことが今の自分の土台となってあると思う」と思いをはせる。東北で磨いた技術に支えられた世界王者が大一番で地力を見せ、歴史と伝統のある全英オープン覇者という新たな称号を手に入れた。

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