大坂なおみ、連覇消えた…新コーチ体制初黒星 2度助言ジェンキンス氏とは関係良好
「BNPパリバ・オープン」(12日、インディアンウェルズ)
女子シングルス4回戦で2連覇を狙った第1シードの大坂なおみ(21)=日清食品=は第23シードのベリンダ・ベンチッチ(スイス)に3-6、1-6で屈した。第2シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)も敗れ、WTAツアーによると大坂は大会後も世界ランキング1位を維持する見通し。男子シングルス3回戦で第6シードの錦織圭(29)=日清食品=も世界67位のフベルト・フルカチュ(ポーランド)に6-4、4-6、3-6で逆転負けした。大坂、錦織はともに次戦が19日開幕のマイアミ・オープンの予定。
力は出し切った。だから女王の表情は、敗者とは思えないほど晴れやかだった。全米、全豪を制したように無類の強さを誇るハードコートで、同じ1997年生まれの実力者ベンチッチにストレート負け。世界ランキング1位の肩書で戻ってきた大会で連覇の夢はついえたが、大坂は「ベストは尽くしたし、後悔はない。相手が素晴らしかった」とうつむくことなく前を見据えた。
出だしからリズムに乗れなかった。第1セット第1ゲーム。大坂は球速が落ちる第2サーブを狙われ、リターンで攻め込まれた。ストロークでもコートの内側に一歩入ってくるベンチッチに先に仕掛けられ、受け身になる場面が多く、いきなりブレークを許す。第2セットは0-3とリードを許し、相手の勢いをはね返すだけの気迫が消えた。
新コーチのジェンキンス氏と初めて臨む大会。この4回戦では2度もコートに呼び、WTAツアーでは認められている助言を求めた。劣勢の展開で大坂は「私の人生へようこそ」と冗談を飛ばし、2人の良好な関係はうかがえた。
8強入りを逃したものの大会後の世界ランキングは1位を守る見通しで、追われる立場に変わりはない。次戦は四大大会に次ぐ規模のマイアミ・オープンで、自宅のあるフロリダが舞台。「試合を通じて、前向きにプレーはできた」と、振り返ったように状態は決して悪くない。ホームで必ず上昇気流に乗る。