小林陵侑、史上4人目V12 世界選手権悔しさ晴らす快勝!2回とも悠々HS越え
「ノルディックスキー・ジャンプ男子」(14日、トロンヘイム)
既に個人総合優勝を決めている小林陵侑(22)=土屋ホーム=が141メートル、141・5メートルと大飛躍を2回そろえて合計298・4点で圧勝し、史上4人目のシーズン12勝を達成した。今季の残り3試合で3勝できれば、ペテル・プレブツ(スロベニア)が2015~16年シーズンにマークしたシーズン15勝に並ぶ。伊東大貴は16位、小林潤志郎は20位、佐藤幸椰(いずれも雪印メグミルク)は22位、中村直幹(東海大)は28位だった。
不完全燃焼だった世界選手権の悔しさを晴らす快勝だった。他の選手が1人も到達できなかったヒルサイズを小林陵だけが2回とも悠々と越えた。3位だった12日の個人第24戦後に「トロンヘイムは飛べる気がする」と話していた日本のエースは「根拠なしには僕、そういうことは言わないので」とにやりと笑った。
表彰台の真ん中に立ったのは、2月17日の個人第22戦以来約1カ月ぶりだが、本人は「半年ぶりみたいな感じがする」という。ずいぶん時間が経過したように感じるのは、その間に世界選手権があったからだ。断トツの金メダル候補として臨んだ大舞台では、条件にも恵まれず個人戦は表彰台に届かなかった。
今は心理的に解放されている。「もうプレッシャーはない。世界選手権も終わったので」とすがすがしい表情だった。この日は2回ともトップの得点をマークしてW杯個人総合王者の実力を示し「久しぶりに2本そろったので、うれしい」と声を弾ませた。
次戦は「大好き」というフライングヒルでの大会。ビケルスンにそびえるヒルサイズ240メートルのジャンプ台が「楽しみ」と、子供のように目を輝かせた。