JOC竹田会長の退任、IOCが促す 後任に柔道連盟会長・山下氏ら推す動き
2020年東京五輪招致を巡る贈収賄疑惑でフランス司法当局の捜査対象となった日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)に、国際オリンピック委員会(IOC)が水面下で早期の退任を促す動きをしていることが15日、分かった。JOC会長だけでなく、IOC委員も退くことを検討する必要があるとの見解も示しているという。複数の関係者が明らかにした。
開幕まで500日を切った東京大会や五輪ブランドに与える影響を懸念し、早急に幕引きを図る思惑があるとみられる。竹田氏は一貫して潔白を主張している。IOCは同氏に対し「推定無罪の原則を尊重しつつ、状況を注視していく」との立場を取る一方、関係者によると起訴の可能性が高いとみている。6月ごろをめどに強力な権限を持つ予審判事の報告が出るとの見通しもあるため、6、7月のJOC役員改選での続投はリスクが大きいとして、問題が尾を引かないよう今月中にも退任が必要ではないかとの意見という。
関係者の間では、退任不可避の情勢となっている竹田氏の後任候補として、柔道五輪金メダリストの山下泰裕・JOC選手強化本部長を推す動きが出ている。JOC常務理事の田嶋幸三・日本サッカー協会会長の名前も一部で取り沙汰されている。竹田氏は会長職を退く一方、理事としてJOCに残る案も出ている。