高安1敗死守 “稀勢魂”受け継ぎ親方のためにV目指す「恩返すため結果出す」

 北勝富士(右)を攻める高安
2枚

 「大相撲春場所・7日目」(16日、エディオンアリーナ大阪)

 大関高安が新小結北勝富士を33秒5の我慢の相撲で送り出し、6勝目(1敗)を挙げた。場所前は兄弟子、元横綱稀勢の里の荒磯親方と100番を超える稽古を重ね“稀勢魂”を受け継いだ。初の賜杯で最高の恩返しを誓う。この日、本場所でNHKの解説者デビューとなった同親方も成長を絶賛した。横綱白鵬は正代を突き倒して初日から7連勝。平幕逸ノ城も全勝を守り2人がトップを並走。1敗で横綱鶴竜、高安、豪栄道の2大関、平幕碧山、琴奨菊の5人が追う。大関とりに挑む関脇貴景勝は大栄翔を押し出して5勝目(2敗)。

 解説デビューの荒磯親方の前で恥ずかしい相撲は取れない。高安が我慢を重ね、勝ち切った。北勝富士の右おっつけが強く左が差せない。半身になる劣勢に耐えた。勝機を探り右をねじ込んで逆転。すくって相手を崩して勝負を決めた。

 「(相手が)右を固めてきたから辛抱するしかなかった。勝ちにいかないのが良かった。辛抱して、辛抱して。(足が)俵にかかってからが相撲」。守り勝ちに胸を張った。

 くしくも解説では同親方が先代師匠の故鳴戸親方(元横綱隆の里)の教えとして「俵からが相撲なんだ」と語っていた。“兄弟”息ピタリの6勝目で1敗を死守した。

 場所前、連日の三番稽古(同じ相手と何番も取る)は計100番以上。引退後も親方は体を鍛え、本気で立ち向かってくれた。最強で最高の“練習台”になってくれた。

 「どんどん前に出る稽古ができた。それが生きている」と今場所は馬力に磨きがかかった。肌を合わせることで魂を受け取り「親方のために?それが一番強い。恩を返すために結果を出す」。親方のために初の賜杯を抱くつもりだ。

 荒磯親方も成長に目を細めた。「人が変わったんじゃないの。あれが横綱、大関の相撲。圧力のある力士に我慢勝ちしたんだから運じゃない、実力。一番強い」と優勝を予感。千秋楽、支度部屋で万歳三唱の音頭を取る役に「俺がやりたい」と名乗りを上げた。

 高安は「負けない相撲を取る。劣勢になっても辛抱強い相撲を取りたい」とキッパリ。V争いに食らい付いていく。

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