日本オリンピック委員会（ＪＯＣ）の竹田恒和会長（７１）が１９日、都内で行われた理事会で、６月の任期満了での退任を発表した。竹田氏は２０年東京五輪・パラリンピック招致における贈賄疑惑で、フランスの司法局から捜査を受けている。潔白を主張しているが、捜査の長期化が予想される中、東京五輪への影響を考えて、０１年から約１８年間、８期に渡った長期政権に終止符を打つ決断を下した。

　竹田氏は「私としても東京五輪、パラリンピックはぜひ成功してもらいたい。今回世間をお騒がせしたことを大変心苦しく思っていた。進退については慎重に検討してまいりましたが、これからのＪＯＣの将来を思うと、次代の若い世代にＪＯＣは託して、東京五輪、パラリンピックを迎え、新しい時代を切り開いてもらうことがふさわしいと思いました。つきましてはこの６月の定年をもって、ＪＯＣの会長と理事を退任することと致しました」と、話した。

　ＩＯＣ委員も辞任することを表明。自国開催となる夢舞台まで、１年半を切る中で国内のスポーツ団体を統轄する組織の長が変わるという異常事態。本大会への影響が懸念される。

　後任には山下泰裕選手強化本部長の名前が挙がっている。

　退任表明後、小谷実可子理事は涙を浮かべて、名誉職でのＪＯＣ残留を臨み、塚原光男理事は「今、辞めることは責任の放棄では？」という意見も出た。