ダイソー女子駅伝部創部 世羅高の名将岩本氏迎え号砲「10年後に頂点」
100均ショップを全国で展開する大創産業(東広島市)が4月1日付で「ダイソー女子駅伝部」を創部することになり、20日、広島市内で記者発表が行われた。初代監督には広島・世羅高陸上競技部監督の岩本真弥氏(53)が就任。今年3月に高校を卒業した5選手が入部する。岩本監督は駅伝で日本一になり、広島県民からも愛されるチームなることを目標に掲げた。
広島ではエディオンに次いで2チーム目となる女子駅伝チームがいよいよ始動する。会見に臨んだ岩本監督は「とてもフレッシュな気持ち。やるしかない。不安な気持ちは取り除き、期待感を持って臨みたい。これまでの土台の上に新しいチャレンジをしていく」と抱負を語った。
15年間指導してきた世羅高は3月末で退職する。全国高校駅伝で男子を5度、女子を1度、優勝に導いた名将は「数年前から引き際を考えていた。後を任せられる人材ができたので、今回、監督の話を引き受けることになった」と説明。今後の目標には「3年後にプリンセス駅伝(全日本実業団対抗女子駅伝の予選会)、5年後にはクイーンズ駅伝(本大会)に出場し、10年後に頂点を取ることができれば」と青写真を描いた。
部員は岩本監督の教え子である世羅高出身の3人を含む5人が入部する。いずれも3月に高校を卒業したばかりの将来性豊かな18歳だ。大創産業に正社員として入社し、週に2回、午前中のみ店舗などで業務を行い、それ以外は練習に打ち込む。今年1月には選手寮も完成。トレーニング設備も備えており、充実した環境が整っている。選手はすでに3月上旬に入寮し、練習を開始している。
小川金也・女子駅伝部部長(59)は「広島県の陸上競技を盛り上げ、競技人口を増やすことで地域貢献、社会貢献を果たしていきたい」と強調。「我が社は全従業員の85%を女性が占めている。お客さまも女性の方が大半で、女子力で支えられてきた会社。女性を応援していきたいという考えから女子駅伝部とした」と説明した。
今後も高校生、大学生のリクルート活動を積極的に行い、将来的には15人程度の部員で活動していく方針。現段階では部員も少ないためチームとして駅伝競技に出場する態勢は整っていない。当面は選手個人で実業団の大会などに出場し、経験を積んでいく。
4月からの本格指導を控え、岩本監督は「東広島市民や広島県民から愛され、(陸上競技をやっている)中高生たちからもあこがれを持ってもらえるようなチームにしていければ」と語り、「選手個人で日本一、チームとしても日本一になり、いずれはオリンピック選手を輩出したい」と夢を掲げた。