貴景勝 白鵬と流血戦3敗目 かち上げを食らって左耳したからタラリ…

 「大相撲春場所・11日目」(20日、エディオンアリーナ大阪)

 大関とりに挑む関脇貴景勝が横綱白鵬と気迫の“流血戦”の末、最後は上手投げで敗れた。連勝は5で止まり3敗目(8勝)。3大関戦を残す残り4日、昇進ノルマの10勝へ2勝が必要となる。12日目は先場所、屈した大関豪栄道と強敵が立ちはだかる。白鵬は初日から11連勝に伸ばし単独トップを死守した。碧山との1敗対決を制した逸ノ城が1人、1差で追う。2敗で横綱鶴竜、高安、豪栄道の2大関、平幕碧山、琴奨菊の5人が並ぶ。

 貴景勝の左耳下から血が流れていた。白鵬の猛撃に耐えた根性全開の熱闘。支度部屋で出し尽くしたか、と問われ「どうですかね、自分なりに…」と言葉を詰まらせ悔しげ。敗戦後の思いを聞かれ「あした、どう戦うか」と気丈に言い切った。

 立ち合い、エルボーのようなかち上げを食らっても引かなかった。強烈な張り手を何発も顔面に被弾しながら前に出た。突き落としも踏ん張り、前に出て勝負を懸けた。だが右差し、左上手に組み止められ万事休す。最後は豪快に投げ飛ばされ、土俵に転がった。

 横綱を追い詰めた好勝負にも無念しかない。「勝たないと何の意味もない。気迫とか相撲内容とか勝つことで結果論で裏付けられるもの」と唇をかんだ。

 昇進を預かる審判部の阿武松部長(元関脇益荒雄)は「真っ向勝負であれだけの相撲。大したもの。今の相撲を取り続ければいい」と内容を評価。残り4日にすべては懸かる。

 連勝は5で止まり3敗目。昇進ノルマの10勝へは4戦で2勝ながら、3大関戦が残る。昇進ロードは険しい。

 本人も覚悟の上。「自分と向き合わないといけない。簡単にはいかないのは重々分かっている。その中で信念、そういうものを貫きたい。その中で勝負していきたい」。12日目は先場所千秋楽で敗れ、昇進を阻まれた大関豪栄道に挑む。埼玉栄高の偉大な先輩を打倒し、夢を近づける。

 出身の芦屋市では「祝 大関 貴景勝関」と記した横断幕をすでに準備。昇進決定と同時に市役所、阪急、JR、阪神の芦屋駅など市内6カ所に掲げ祝福する予定。大声援を力に変え、22歳が期待に応える。

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