日本ラグビー協会は２２日、都内で会見し、サンウルブズが２１年以降のスーパーラグビー（ＳＲ）から除外されたことを発表した。ＳＲを運営するＳＡＮＺＡＡＲ（サンザー）から、２０日に内示を受け、この日の正式発表に至った。

　会見には日本協会の坂本典幸専務理事、サンウルブズを運営するジャパンエスアール渡瀬裕司ＣＥＯが出席。坂本専務理事は「サンザーがサンウルブズを継続させないという決断をしたことは日本のラグビー界には残念なこと」と話した。その背景として、サンウルブズの参加契約は２０年いっぱいで満了し、再契約する必要があったこと。それに伴い３つの“経済的不平等条約”を突きつけられたことを明かした。

　サンザーは２１年以降、現行の１５チーム、３カンファレンス制から１４チーム総当たりにするプランがある。その場合放映権料が大きく拡大するメリットがあるという。サンウルブズが残留して、現行の１５チーム３カンファレンス制維持の場合、増額するはずの放映権料を負担しろ－というのが１つ目。

　２つ目は地理的に遠い日本との対戦について、従来は主催者が負担した渡航費について、相手側分も含めて日本側が負担するというもの。

　３つ目は、各チームが運営費として受け取る放送権料についても現状と変わらず、分配されないというもの。

　突きつけられた額については日本協会側は明らかにしなかったが、豪州での報道によると１０億円という。坂本専務理事は「これらの条件については他チームと不均衡かつ、経済的にも厳しい状況を一層助長すると考える。これらの条件は飲めないという結論に至った」と説明した。

　サンウルブズは日本協会がＷ杯日本大会に向けた代表強化を目的に立ち上げ、１６年からＳＲに参入。初年度は１勝、２年目は２勝、昨季は３勝した。今季はここまで１勝４敗の成績を残していた。

　ＳＲ除外後の２１年以降のサンウルブズについて、坂本専務理事は「日本代表の強化に寄与するという目的で作ったので。ハイパフォーマンスに寄与するのであれば残すことになるだろうと思います」と話した。新リーグ創設も含めた何らかの形で存続、活動の場を模索していく。