【振付師・宮本賢ニの解説】紀平が失敗した3Aは軸を作るのが遅かった
「フィギュアスケート・世界選手権」(22日、さいたまスーパーアリーナ)
女子フリーが行われ、SP7位と出遅れた紀平梨花(16)=関大KFSC=がフリー2位と巻き返し、合計223・49点で日本勢最高の4位に入った。日本勢は来年の出場枠で最大3枠を確保した。平昌五輪女王のアリーナ・ザギトワ(16)=ロシア=がSP、フリーともに1位の合計237・50点で初優勝した。
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紀平選手の最初のトリプルアクセルは、きれいに決まった。流れのまま2つ目も…と思っていたが、回転に入る軸を作るのが遅かった。その回転のまま降りて、着地の姿勢を取りにくかったのかな、と思えた。
とはいえ、その後は両手を上げたり、片手を上げたりと、きれいなジャンプをした。今大会を通じて、初めての世界選手権とは思えないほど堂々とした演技とプログラムだった。今後に向け、トップ争いの一員になれると実感した。
演技の幅も広がっていて、スピンもしっかりしている。SPのジャンプを3つとも決めるのは難しいが、SPのジャンプの完成度を上げて、さらに上を目指してほしい。
坂本選手はステップも良く、ジャンプを跳ぶ前の氷のつかまえ方もしっくりきているように見えた。ただ、1回転になったフリップは跳び急いだかな、という印象で、ルッツとサルコーにいつもより少しだけ勢いがなかった。宮原選手は遠くからでも表情が分かるぐらいで、手や体の使い方が素晴らしかった。