千秋楽で“大関入れ替え戦” カド番脱出あと「1」栃ノ心VS10勝かかる貴景勝

 玉鷲(左)を押し出しで下し7勝7敗とした栃ノ心
2枚

 「大相撲春場所・14日目」(23日、エディオンアリーナ大阪)

 大関とりに挑む関脇貴景勝が平幕逸ノ城のはたき込みに倒れ、5敗目(9勝)を喫し、昇進ノルマの2桁10勝を決められなかった。運命の大関ロードは千秋楽に持ち越され、相手は大関栃ノ心。カド番の栃ノ心は7勝7敗で勝った方が来場所、大関という前代未聞の“大関入れ替え戦”となる。横綱白鵬が大関高安を浴びせ倒し初日から14連勝の単独トップで42度目の優勝に王手。千秋楽、白鵬が勝てば優勝、逸ノ城が敗れた時点でも白鵬の優勝が決まる。逸ノ城が勝ち、白鵬が敗れた場合のみ優勝決定戦に持ち込まれる。

 体重226キロのまさに壁が大関ロードのゴール目前に立ちはだかった。立ち合い、いつもは頭からぶちかます貴景勝がもろ手で突いた。押し込めず、出足も止まったところを上から豪快に土俵にたたきつけられた。

 過去7勝2敗で4連勝中だった得意ながら、今場所は優勝争いする逸ノ城を警戒し過ぎた。立ち合いを問われ、「悪くなかった。あした1日やり切るだけ」と必死に切り替え。その後は「あした集中していく」、「集中していく」と声を絞り出して繰り返した。

 昇進当確に必要な10勝を決められず、9勝で足踏み。運命のいたずらなのか。千秋楽が前代未聞の“大関入れ替え戦”という大一番になった。

 相手はカド番大関の栃ノ心でここまで7勝7敗。貴景勝が勝てば10勝目で大関昇進、栃ノ心は負け越し大関陥落。栃ノ心が勝てば大関残留、貴景勝の大関昇進は厳しくなる。

 昇進を預かる審判部の阿武松部長(元関脇益荒雄)は千秋楽の昼間に審判部で昇進に関し協議することを明言。「いろんな意見が出るから皆さんの意見を聞いて決める。(千秋楽は)勝つに越したことはない」と最後まで慎重な構えだ。

 貴景勝は先場所後から「大関になる」と公言し、自身に重圧をかけ14日間を戦ってきた。兵庫県出身で準地元。小3時、空手から相撲に転向を決めた大阪は何度も人生の転機となってきた地だ。ナニワの春、一番の大声援が飛び、最注目を浴びてきた。あと1日、勝って故郷に錦を飾る。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス