「フィギュアスケート・世界選手権」（２３日、さいたまスーパーアリーナ）

　男子フリーが行われ、ショートプログラム（ＳＰ）３位だった冬季五輪２連覇の羽生結弦（２４）＝ＡＮＡ＝は銀メダルを獲得した。ＳＰ６位だった宇野昌磨（２１）＝トヨタ自動車＝は１７８・９２点で合計２７０・３２点の４位。田中刑事（２４）＝倉敷芸術科学大大学院＝は合計２３８・４０点で１４位だった。日本勢は来年の出場枠で最大３枠を確保した。ＳＰ首位のネーサン・チェン（１９）＝米国＝が２連覇を達成した。

　目に浮かんだ涙は、ギリギリでこぼれ落ちなかった。２大会連続銀メダルの宇野は、今季ベストより２０点近く低い合計点で表彰台にも届かなかった。「自分の弱さに失望しています」と現実を真正面から受けとめた。

　冒頭の２つのジャンプで手をつき、リズムが狂った。１２月の全日本選手権から計３度痛めた右足首を演技後に引きずるような様子を見せたが「まったく問題ない」と言いきった。「結果を求めると言ったのに、この演技では恥ずかしい」。ひたすら自分を責めた。

　今季は平昌五輪銀メダリストとして責任を果たそうと戦った。今は光は見えない。それでも「トップで争える実力がないと自分に言い聞かせて、一から成長して帰ってこなければいけない」と必死に前を向いた。