競泳の藤森コーチ、長男・太将ドーピング陽性に困惑 置いた水に「混入してたくらいしか」
競泳のリオデジャネイロ五輪男子200メートル個人メドレー4位の藤森太将(27)=木下グループ=が昨年12月のドーピング検査で陽性反応を示した件で、藤森の実父で指導もしている藤森善弘コーチ(54)は、「(本人は)薬もサプリメントも飲んでいない。(原因が)全く見当が付かない」と困惑した様子で説明した。1日に東京・辰巳国際水泳場で取材に応じた。
藤森太は昨年12月の世界短水路選手権で受けたドーピング検査で、禁止物質「メチルエフェドリン」が検出されて陽性反応を示した。この物質は風邪やぜんそくの薬に入っている可能性があるものの、藤森コーチは「(太将は)健康体で薬を飲んでいない」と否定。仮に体調が悪くても、日本代表は専門ドクターの診断を受けるため、市販のかぜ薬を飲むことはあり得ない。また、サプリメントに関しても、大会期間は万が一のことを想定して摂取することを控えていたという。
藤森コーチは「本人が一番面食らっている」と明かし、「コーチとしてよりも、父親として普段の生活を見ているので、薬も飲んでない。潔白を証明しないといけないが、とってないことを証明することはできない。何かを飲んでいればそれを飲んだと言えるが…。全くわからないので、それ(反証)が一番難しい」と頭を抱えた。
昨年には、カヌー日本代表同士での禁止薬物混入事件が発覚し、スポーツ界を震かんさせた例もあった。藤森コーチはこの一件も念頭に置きつつ、「人に(禁止物質を)盛られたりもある。ぽんと置いた水を泳いだ後に飲んで、そこに混入していた…くらいしか(原因が)わからない」と首をかしげ、「それでも陽性反応が出たということは、何らかの形で(体内に禁止成分が)入ったということなので、それ(原因)をこれから見つけるしかない」と苦渋の表情を浮かべた。
藤森太は暫定的資格停止処分を受け入れ、2日に開幕する日本選手権(辰巳国際水泳場)には出場できない。