百戦錬磨の川内優輝が宣言!目標は世界選手権 東京五輪“眼中”なし
3月末に埼玉県庁を退職し、4月からプロランナーとなった川内優輝(あいおいニッセイ同和損害保険)が2日、都内でプロとして“初仕事”となるアシックスとのアドバイザリー契約発表会見に出席した。プロになっても独自の感性で突き進む32歳は、目標を来年の東京五輪ではなく21年米ユージーン世界選手権でのメダルに設定。今年中にマラソン100戦を達成する見込みで、新たな異名として“百戦錬磨”襲名を宣言した。
代名詞だった“公務員”の肩書きが外れ、プロとしてのスタートを切った32歳の表情は、晴れやかだった。鮮やかな黄色いアシックスの最新ウエアで会見に臨んだ川内は「これまではボロボロのジャージを着ていたし、ウエアやシューズも購入していたので、最新のものには手が出なかった。これからは最新のカッコいいものを着たい」とプロとしての実感を素直に吐露した。
1日からツイッターとフェイスブックを開始。近日中に公式サイトもオープンさせる。練習面も一変した。1日には、いきなり約60キロ走を敢行。これまで平日は仕事だっただけに、これからは思う存分に走ることだけを考えられる。「今までできなかったことを実現できる。自分の可能性にワクワクしている」と、鼻息荒く話した。
ただ、公務員ランナー時代から、日本のマラソン界に一石を投じ続けてきた男は、これからも異端を貫く覚悟だ。当面の目標は「今年の世界選手権(ドーハ)での入賞と、21年世界選手権(ユージーン)でのメダル」と、誰もが目指す来年の東京五輪は“眼中”になし。これまで92度のマラソンを走破。『公務員ランナー』『最強市民ランナー』に代わる異名として「今年中に100回走って、“百戦錬磨”のプロランナーと呼ばれたい」と、高らかに宣言した。
自身にとってマラソンは?との質問には「走っていなければ、僕の人生はつまらないものだった。マラソンは人生そのもの。生涯現役でいく」と川内。劇的で面白い、人生の第2章が幕を開けた。