【柴田亜衣のゴールドアイ】スピードと持久力を兼ね備えた松元選手
「競泳・日本選手権」(4日、東京辰巳国際水泳場)
7月の世界選手権(韓国・光州)代表選考会を兼ねて行われ、男子200メートル自由形で松元克央(22)=セントラルスポーツ=が派遣標準記録を突破する1分45秒63で2連覇を達成し、代表に内定した。男子100メートル背泳ぎでは第一人者の入江陵介(29)=イトマン東進=が53秒53で6年連続8度目の優勝を飾ったが、個人での内定はならず。今大会の代表内定者は3日目を終了時点でわずか3人と、苦しい戦いが続いている。
【柴田亜衣のゴールドアイ】
松元選手は150メートルの時点で少しバテるのかな、と思っていましたが、最後にタイムを上げて持ち直しました。後半に自信があったのでしょう。江原選手が前半から飛び出すことは想定していたはずですが、落ち着いてついていきました。
前半からいくスピードに、後半上げられる持久力と、両方を持ち合わせていました。萩野選手が欠場している中、自分が…という思いもあったのかもしれません。
私の中では200メートルが一番きつく、難しいと思っています。予選、準決勝、決勝と、3回泳ぐきつさも感じていました。前半いきすぎて、最後の50メートルでタイムが上がらない選手もいる中、松元選手はきれいにラップを刻んでいたことも目を引きました。
全体的に記録が出ないレースが続いていますが、どの選手も世界選手権のことだけを考えて臨んでいるとは思います。もっとも、今年いっておかなければ来年が…というプレッシャーのようなものに、もしかしたら気づかないうちに迫られているのかもしれません。
水泳は個人種目ですが、全体の雰囲気が大きな要素になることがあります。だれかがポンと記録を出せば、後に続いていくこともあり得るでしょう。(04年アテネ五輪女子800メートル自由形金メダリスト)