長谷川涼香、復活V 父と二人三脚で世界選手権への切符つかんだ

 「競泳・日本選手権」(6日、東京辰巳国際水泳場)

 7月の世界選手権(韓国・光州)代表選考会を兼ねて行われ、女子200メートルバタフライはリオデジャネイロ五輪代表の長谷川涼香(19)=東京ドーム=が派遣標準記録を切る2分7秒44で2年ぶりに優勝し、代表権を獲得した。男子200メートル個人メドレーは瀬戸大也(24)=ANA=が1分56秒69で初制覇し、200メートルバタフライに続いて代表に内定した。

 最後は意地で前に出た。ラスト50メートル、グイグイ迫る大橋をかわし、長谷川がトップでフィニッシュ。準決勝よりタイムを落としたことに悔いは残るが、無事代表入りを決めた。「タッチ差で逃げ切れてよかった」とにっこり表情を緩めた。

 昨年は派遣標準記録を突破できず、夏もタイムは伸び悩んだ。自己ベストは2分6秒00だが記録は常に2分8秒台。試合でタイムが出なかった。9月、水泳を始めた3歳から小6まで教わった父・滋コーチ(51)に再び師事すると決めた。

 不調の間も電話やメッセージで助言を求めてきた頼れる存在。滋コーチは育成が専門でトップ選手の指導経験はなかったが、そこは血の通った父と娘。過去の実績による「根拠はない」(滋コーチ)が、試行錯誤しながら体のウエーブの使い方やドルフィンキックを修正した。一時は停滞感が心を支配していたが、二人三脚の日々は「気分転換」にもなった。現在は週8度の練習中6度は1対1で猛特訓を受けている。

 レース前には「ここって試合で勝てない」と悩む長谷川に対し、勝負も記録も求めるレースを目指せという意味で「プロ意識を持て」と送り出してくれた。最も得意な200メートルバタフライ。「勝ちたい」の一心で泳ぎ抜いた。課題のラスト50メートルも父と磨いたキックを打ち、逃げ切った。

 夏の世界選手権へ向け「去年の悔しさを晴らせるように、2分5秒台の自己ベストを出したい」と長谷川。父との二人三脚で、さらなる高みへ駆け上がる。

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