張本、右手負傷…丹羽に敗れ4位 棄権促されても試合続行…世界選手権も「絶対出る」

 「卓球・アジア杯」(7日、横浜文化体育館)

 決勝と順位決定戦が行われ、男子の3位決定戦で世界ランク4位の張本智和(15)=木下グループ=と同8位の丹羽孝希(24)=スヴェンソン=が対戦。丹羽が4-2で勝利した。張本は右手薬指の痛みを訴え、試合を一時中断するアクシデントがあり、3種目にエントリーしている世界選手権(21~28日、ブダペスト)へ不安を残した。女子の同4位、石川佳純(26)=全農=は12年ロンドン五輪銅メダルで同ランク10位のフェン・ティアンウェイ(シンガポール)に4-1で勝利し、丹羽と石川はW杯(10月、中国)の出場権を獲得した。

 自ら主審に申し出た。ゲームカウント1-3となった第4ゲーム直後に、張本は右手薬指の異常を訴えた。試合は中断。約5分間、マッサージ治療などを受けた後、試合を続行した。世界選手権を控え、「やめた方がいい」と男子の倉嶋洋介監督から促されても「自分のこれからのためにも棄権はしたくない」と無理を押した。

 痛みは今年の国際大会初戦、カタール・オープン翌日に発症した。その後は「(前日の)準々決勝までは大丈夫だった」というが、「準決勝が終わった後に痛みがひどくなった」と言い、「ラケットを握るのも痛い」という状態まで悪化した。試合後はアイシングした状態で、8日に病院で診察を受ける。

 倉嶋監督は「トレーナーの話では腱鞘炎の手前」と説明。世界選手権ではシングルス、ダブルス、混合ダブルスの3種目にエントリーしており、診察結果を受けた上でエントリーの削減も「0ではない。本人と話し合いながら種目数を決める」と話した。

 張本は棄権を拒んだ理由を「五輪でもこういう状況があると思う。日本人対決にも負けたくなかった」と語った。試合後、倉嶋監督から「やめる勇気も必要だ」と諭された15歳は、世界選手権も「絶対に出て日本(代表)として全力でプレーする」と気丈に話した。

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