苦しんだ競泳陣 響いた池江、萩野の不在と、高い派遣設定の重圧 内定はわずか10人

 池江璃花子(左)と萩野公介
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 「競泳・日本選手権」(8日、東京辰巳国際水泳場)

 なんとも言えない重苦しさが包み込んだ大会となった。大会の全日程が終了し、個人全34種目のうち、派遣標準記録を切って世界選手権(7月、韓国・光州)の日本代表に内定した選手は10人。少数にとどまり、日本代表の平井伯昌ヘッドコーチ(HC)は「大変残念な結果」と総括した。

 何よりも大きかったのは、男女両エースの不在。白血病を公表し、闘病忠の池江璃花子(ルネサンス)、モチベーションの維持に苦しみ休養している萩野公介(ブリヂストン)。近年、選考会をけん引してきた存在だっただけに、平井HCは「やはり池江、萩野の主力が欠けた中で、苦しかったのもある。(近年は)池江の日本新から始まって、みんながのっていくところがあった。そういうところが1つ原因としてあったのではないかと思う」と率直に打ち明けた。

 ベテランの入江陵介は「結果としてはちょっと寂しい。萩野くん、池江さんがいない中で、底上げしないといけないという意識は全員が持っていたと思う。それが空回りに繋がったのかもしれない」と分析。その上で「力んでタイムが出なかったというコメントをしている選手が多かった。気持ちとしては前に行っている。うまく繋がれば結果として出てくると思う。5月のジャパンオープンで(代表選手が)追加されれば、それが底上げになる。チーム全体として、ここからだと思う」と期待を込めた。

 もう1つ選手たちを苦しめたのが、世界ランク16位相当に設定された派遣標準記録。個人メドレー2冠の大橋悠依は「ここ2年で派遣設定が上がっているので、結構、そこが目標になってしまっていて、記録を意識しすぎて体が固まってしまって動かないというのが、私以外の選手にもたくさんいたと思う」と、明かした。「自分がどんな状況でも標準を切れるようにするのが大事。もっと世界でどういうレースをするのかを考えながらレースした方がいいのかな」と語った。

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