宇野昌磨SP3位「ふてくされてるわけじゃないんです」挑戦やめず、攻めのフリーへ
「フィギュアスケート・世界国別対抗戦」(11日、マリンメッセ福岡)
今季成績上位6カ国・地域で争われる大会が開幕し、男子SPが行われた。3月の世界選手権で連覇を達成したネーサン・チェン(米国)が101・95点をマークしSP1位となった。日本の宇野昌磨(21)=トヨタ自動車=は92・78点で、3位だった。1日目の演技を終えた時点で、団体戦は米国が50ポイントで1位、日本は48ポイントで2位につけた。
攻めた結果を宇野はすがすがしく受け入れた。冒頭に予定した4回転フリップ-3回転トーループの高難度の連続ジャンプが単発になり、中盤につけた連続ジャンプもミスが出た。首位のチェンに10点近い点差をつけられた宇野だが、表情は明るかった。「こんなもんかと、それだけの感覚。今の実力なら妥当な成績」と言い切り、「そんなに自分に期待していない。でも、ふてくされているわけじゃないんですよ」と報道陣を笑わせた。
今大会前には、今季への率直な思いを語っていた。「ルールが変わったので、現状維持にした。失敗が大きなリスクになるので、今年はずっとまとめにいっていた。でも、それが僕には合わない。もっと挑戦する方が合っていると思ったし、どんどん挑戦して成長し続けないと(世界で)おいていかれてしまうと思った。成長しようと思いました」
見据えるのは来季だ。団体戦の今大会で「僕の立場ならもっとチームに貢献しないといけないので申し訳ない」と言う一方で、「迷惑をかけたくないし、自分のためにやりたい」と本音ものぞかせた。12日のフリーでは「ガラッと構成を変える。跳べるものもあるし跳べないものもある。ただ、挑戦はやめません」と前を向く。
この日失敗した連続ジャンプなど得意の4回転フリップ2本を予定し、演技後半に初めて4回転サルコーを入れる。また、世界初となるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)-4回転トーループを入れる可能性もある。苦しんだ今季の最終戦。とことん攻め続ける。