「フィギュアスケート・世界国別対抗戦」（１３日、マリンメッセ福岡）

　女子フリーが行われ、ＳＰ３位の坂本花織（１９）＝シスメックス＝は、序盤のミスを後半で挽回し、ＳＰに続いてフリーの自己ベストとなる１４６・７０点で３位。ＳＰ１位の紀平梨花（１６）＝関大ＫＦＳＣ＝は冒頭の３回転アクセルを含む２度の転倒があり、得点は１３８・３７点で５位だった。今大会は団体戦で１位は米国で１１７ポイント。日本は１０４ポイントの２位で、連覇はならなかった。３位はロシアの１０２ポイントだった。

　両手を顔で覆って笑顔を見せると、急にしかめっ面。そして最後は泣きそうな顔。演技を終えた坂本の表情は数十秒で百変化した。「怖かった～、焦った～となって、ジャンプ全部やったよなと（不安になった）」。単発になってしまった冒頭の連続ジャンプは次でリカバリーしたが、続く３回転ルッツも踏みきりミス。それでも後半のジャンプで耐えに耐えて自己ベストをたたき出した。「最後の最後まできっちりやりきれなかったのは心残り」としながらも、「このできで自己ベストを更新できたので、完璧にやればもっと伸びる」と手応えも得た。

　今大会で完璧だったＳＰは「今の自分の最高のできだった」と言い、「あれ以上は伸びないので新しい技を入れたい。新しいことをどんどん挑戦していけば、ＳＰもフリーも伸びると思う」と自己分析した。来季はまずフリーで３回転半に挑戦する意向。ロシアの４回転ジャンパーがジュニアから次々上がってくる来季。「負けじとピョンピョン跳んでやろうと思います」と冗談交じりに言うが、尻に火はついている。

　「今季は本当に波があったけど、３カ月ぶりにメダルが獲れて、表彰台からの景色をうれしいなと思った。来季もこういう気持ちをたくさん経験できるようにがんばっていきたい」。１９歳の全日本女王はまだまだ飛躍する。