柔道女子選手がボルダリング体験で学ぶ…戦略性通じる 専門家も絶賛「能力高い」
柔道女子日本代表が17日、東京都杉並区の「B-PUMP荻窪」でボルダリング体験会を行った。17年のレスリング、18年のラグビーに続く他競技挑戦で、週末に大会を控える重量級選手や左肩を痛めている52キロ級の阿部詩(日体大)らは不参加だったが、世界選手権代表を中心に約25人の選手が参加。最初は四苦八苦していたものの、高い身体能力と順応力を徐々に発揮。一般人なら完登まで1カ月ほどかかるという傾斜のかかった課題も最後まで登り切る(完登)選手が続出した。
体験会の最後には、クリアした課題の数で競うボルダリング大会が行われた。パワーだけでなく柔軟性や戦略性も求められる難しい課題もある中、10課題中8課題を完登し、1課題はゾーン(ボーナス地点)まで達した52キロ級代表の“腕十字職人”角田夏実(26)=了徳寺学園職=が優勝した。
1年前からボルダリング練習を温めていたという増地克之克之監督は「相手を想定してどう戦略を練るか(が大事)。柔道にも似た部分がある。そのあたりを理解してくれたらやった意味がある」と意図を説明。また、優勝した角田をMVPに挙げ、「ボルダリングに向いているんじゃないですか?スカウトされるんじゃないかと心配しましたけど」と高い順応性をたたえた。
増地監督から依頼を受けて指南役を務めた、スポーツクライミング日本代表の安井博志ヘッドコーチ(44)は「(柔道選手は)基本的な能力が高い。軽やかさでは角田選手がよかったが、他の選手も普通なら落ちそうになると恐怖感で視野が狭くなるところでも、やっぱり(世界の大舞台で)場数を踏んでいるから視野が狭くならない。素晴らしい」と脱帽していた。