「柔道・全日本女子選手権」（２１日、横浜文化体育館）

　世界選手権（８月開幕、日本武道館）の女子７８キロ超級代表選考会を兼ねて行われ、前年覇者の素根輝（１８）＝環太平洋大＝が決勝で世界女王の朝比奈沙羅（２２）＝パーク２４＝を下し、塚田真希（０２～１０年で９連覇）以来の連覇を達成した。大会後に行われた強化委員会で、悲願の世界選手権代表に選出された。７８キロ超級には２枠が使われ、国際大会で結果を残す朝比奈も代表入り。また、５２キロ級の２枠目として、志々目愛（２５）＝了徳寺学園職＝も選出された。

　決勝でライバル素根に敗北した朝比奈の頬を涙が伝った。「（素根は）自分が入ろうとしたタイミングに合わせて、先に入るのがうまい。そこで競り負けた」。苦手なタイプという素根に技を出し切れず、これで５連敗。直前２週間でかなり追い込んだが、結果につながらなかった。

　これまで国際大会の圧倒的な実績から優位に立ってきたが、立場は並ばれた。素根について聞かれ「世間は（勢いのある）素根選手を応援したくなる。自分が悪者になってもいい、最後は一番がいい。次はうれし涙を流せるように頑張ります」と話すと「死ぬ気じゃやられてしまう。殺す気で精進していかないといけない」と、悲壮な覚悟をにじませた。

　東京五輪へは、素根も出場する世界選手権が大一番。“殺す気”で連覇を狙う。