美宇ハリケーン再び!復活へ猛トレ 進化した高速卓球で“流行の先端”取り戻す
「卓球・世界選手権」(21日、ブダペスト)
開幕した21日、試合のなかった日本代表は会場で入念に調整を行った。前回17年大会の女子シングルスで日本勢48年ぶりの銅メダルを獲得した平野美宇(19)=日本生命=は約10時間練習場で汗を流し、23日からの試合に向けて最終調整。最近は世界から研究されて結果が出ていないが、復活への手応えは十分。持ち前の攻撃的な卓球で再びハリケーンを巻き起こす。
平野は進化したハリケーンで再び“流行の先端”を目指す。台の近くに立ち、高速でラケットを振りまくる攻撃卓球は「ハリケーン」と称され、世界の脅威となりトレンドになった自負もある。しかし丸裸にされて通用しなくなった。「今はみんなこういう(高速)卓球をしているので最先端じゃない。もっと成長することが大事」。成功体験にこだわらず進化することを誓った。
「どんどん(世界の)卓球は進化しているが、常に最先端にいれるようにしたい。前は速さだけで勝てたけど、今はみんな速いのでそれだけでは勝てない」。近年はミスを誘われると単調な攻撃になりがちだったが、中国トップ選手のように引き出しの多い相手にも対抗しなければ世界の頂点には届かないだけに、「戦術とかいろいろ考えることも大事だと最近思う」と頭を使うことを課題に挙げた。
前回銅メダルを獲得して以降は成績が伸び悩んでいたが、今月のアジア杯では6位に終わったものの高速卓球復活の糸口をつかんだ。直前合宿の際は、この2年間を振り返り「私の人生は山しかないと思ってたけど、谷がいっぱいだった」と自虐したが、その表情は明るくなってきた。“谷底”でエネルギーをため込み、進化したハリケーンを世に放つときが来た。