伊調「まずしっかり“宿題”」 田南部コーチから「10個くらい出されてる」
レスリング女子で五輪4連覇中の伊調馨(34)=ALSOK=が22日、昨年10月に復帰して以来、初の国際大会となるアジア選手権(4月23~28日・中国、西安)に向け、羽田空港から出発した。16年リオデジャネイロ五輪以来の国際大会に「外国人との感触を思い出したい。10個の宿題もある」と意欲。伊調が出場する57キロ級は26日に行われる。
伊調にとってリオ五輪以来2年8カ月ぶりの国際大会。百戦錬磨の女王にとっても、5連覇の懸かる東京五輪に向け、大きな試金石の一戦となる。
これまでは自分のレスリングだけを追求してきたが「外国人との感触を思い出したい。アジアの57キロ級は世界でも上位。いろんな選手と戦いたい」。昨年の世界女王・栄寧寧(中国)も出場予定で、まずリオ五輪から変化した世界の“現状”を把握するつもりだ。
指導を受ける田南部力コーチからは「10個ぐらい“宿題”を出されている」と、調整面や試合面で課題を与えられていることを明かした。「(多すぎて)覚えられない」と報道陣を笑わせながらも「まずしっかり“宿題”をやりたい。まあ、試合になったら勝ちにこだわると思いますけど」と意気込んだ。
今年に入って両足首を痛め、難しい調整を強いられてきたが「プラスに考えて、できることをやってきた」。現在の心境については「ワクワクもあるし、不安もある。半々」と客観的に自分を分析。「(コーチから)あまり高まりすぎるな、と言われている」と、闘志は胸に秘めている。
9月の世界選手権(カザフスタン・アスタナ)や東京五輪を見据える中での海外復帰戦。伊調は、再びその名を轟(とどろ)かすために羽田を飛び立った。