桐生祥秀10秒10で金1号!男子100メートル日本勢初V「レースの中で成長」
「陸上・アジア選手権」(22日、ドーハ)
男子100メートルは桐生祥秀(23)=日本生命=が追い風1・5メートルの決勝を10秒10で制した。今大会の日本勢で最初の金メダルとなった。山県亮太(26)=セイコー=は右太もも裏の違和感で棄権した。男子やり投げの新井涼平(スズキ浜松AC)は81メートル93で銅メダルを獲得。男子走り高跳びの戸辺直人(JAL)と衛藤昂(味の素AGF)は決勝に進んだ。
笑顔で日の丸を掲げた。レース後の桐生は冗舌だった。先行を許した前半から挽回し、この大会の男子100メートルでは日本勢初優勝。「タイトルを取れたのはでかい」と顔を上気させた。硬くなりがちで不得手だった競り合いを、0秒03差で制した。
準決勝は全体1位の10秒12で通過した。約2時間半後の決勝では、中盤までトップは譲ったが「最後に抜かすイメージをしている」。焦らず体を動かして狙い通りに逆転し、進化を感じさせた。
3、4月に10秒0台を連発した17年を思い描き、今季は冬季練習を十分に積んできた。ただ、従来より開催時期が遅い9~10月の世界選手権を見据え「まだまだ練習しないといけない時期」とドーハ入り直前まで走り込んでおり、今大会に照準を合わせてはいなかった。その状況で勝ちきり「レースの中で成長できている」と手応えを感じずにはいられない。
17年は肝心の大会で調子を落とした反省もある。これから真価が問われる日本記録保持者は「自信になり、落ち着いてレースができる」と金メダルの意義を語った。