伊調、外国勢に3年ぶり敗戦…2年8カ月ぶり国際大会3位 課題露呈も前向き
「レスリング・アジア選手権」(26日、西安)
五輪5連覇を目指す女子57キロ級の伊調馨(34)=ALSOK=が準決勝で昨年アジア大会優勝のチョン・ミョンスク(北朝鮮)に4-7で敗れた。伊調が外国勢に敗れるのは、16年1月にモンゴル選手に屈して以来。2016年リオデジャネイロ五輪以来の国際大会復帰戦で、3位決定戦は制して意地は見せたものの苦い結果に終わった。女子72キロ級で鏡優翔(ゆうか、17)=帝京高=が決勝で韓国選手を下して優勝した。
2年8カ月ぶりの国際大会で、前人未到の五輪5連覇への歩みは険しいと再認識した。伊調は準決勝で課題の腰高を露呈し、チョン・ミョンスクのタックルを止められず完敗。ただ「腰の低さは今後の大きな課題の一つ。泥くさくても点を取りにいく必死さも足りていなかった。これからは勝ちにいく」と吹っ切れた表情で前向きに語った。
初戦の2回戦は快勝したが、相手の頭が当たって前歯が折れるアクシデント。動きを修正して迎えた準決勝の開始約30秒だ。組み際の鋭い両脚タックルをまともに食らって2点を失うと、1分半すぎには片脚タックルから体を回されるローリングで連続失点。反撃も及ばず4-7で屈した。3位決定戦は格下にフォール勝ちしたが、昨年世界女王の栄寧寧(中国)との対決は実現しなかった。
昨年12月の全日本選手権で復活優勝を遂げた後は、両足首痛の影響で練習量を減らさざるを得なかった。海外での自らの実力を測る試金石と位置づけた闘いを終え「昔は強かったんでしょうね。今はどんな相手にも対応しないと」とスタイルを変える必要性を感じた。「今まではレスリングができる“幸せぼけ”だったかも。こんなもんじゃないです」と苦杯を糧にして出直す。