米倉、大技「ヨネクラ」決めた 首位通過「過去最高の出来」
「体操・全日本選手権」(27日、高崎アリーナ)
種目別トライアルが行われ、今月、自身の名前のつく跳馬の新技「ヨネクラ(伸身カサマツ2回半ひねり)」が認定されたばかりの米倉英信(21)=福岡大=は、1本目で同技を披露し、全体トップの15・266点をマーク。2本目の「ヨー2(前転跳び前方伸身宙返り2回半ひねり)」も決め、2本平均15・033点で首位通過。また、この日で個人総合最終順位が確定し、前日に予選落ちが決まっていた内村航平(30)=リンガーハット=は40位で確定した。
まさに“代名詞”となった大技を、国内初披露で完璧に決めてみせた。米倉は力強く踏み切ると、側転跳びから後方宙返りをしながら、3回半ひねりきり着地。わずかに一歩動くだけに止めた。跳馬で最高難度となるDスコア6・0点の「ヨネクラ」。「自分としては過去最高の出来が出た」と満足げにうなずいた。
高校2年生の時に、ロペス(伸身カサマツ跳び2回ひねり)を跳ぶための練習として、「よりひねりの多い技で練習して、感覚を身に付けようと思った」と同技に挑んできた。今年2月の豪州での種目別W杯で成功させて、今月に入り認定。体操選手にとって、1つの夢でもある自分の名前がつく技に「試合に優勝するのとは、また違った喜びがある」と笑顔で語りつつ「まだ恥ずかしい。だからこういう(取材の)場以外では、ロペスハーフって言ってます」と、はにかんだ。
跳馬のスペシャリストとして、東京五輪出場を狙う。「簡単な目標ではない」が、必殺の“跳び道具”で夢舞台へ飛翔する。