柔道、100キロ級のウルフが全日本初優勝「思っていたより何十倍もうれしい」と涙声
「柔道・全日本選手権」(29日、日本武道館)
決勝で100キロ級のウルフ・アロン(了徳寺学園職)が加藤博剛(千葉県警)を延長戦の末に破り、初優勝を果たした。
両者ポイントがなく指導を1つずつ受けた状態で、延長戦に突入。1分20秒が経過したころに相手を崩しながらの足技で技ありをとり、試合を決めた。
場内での優勝インタビューには涙声で応じた。「いろんな人に応援してもらって、感謝の気持ちでいっぱいです」と絞り出すと涙をこらえた。「思っていたよりも、何十倍もうれしいです」と感無量の面持ちだった。
7年前の同大会優勝者で試合巧者の加藤を相手に、延長戦に持ち込んでポイントを取った。「思い通りの試合ができたと思います」と手応えをつかんだ様子だった。
一昨年で準優勝、昨年は左膝半月板の負傷で出場できなかった。報道陣の取材に対しても、「出られなかったこともあって感極まった」と涙の理由を明かした。世界選手権(8月開幕、日本武道館)の男子100キロ級代表に決まっており、「世界の100キロ級で戦うためには、日本の超級で負けられないと思っていたのでうれしい。日本の中で一番強い柔道家を決める大会はここしかないので」と、世界につながる勝利を喜んだ。
全日本選手権は体重無差別で行われている。