ハンガリー・ブダペストでの世界選手権を終えた卓球日本代表選手団が３０日、羽田空港に帰国した。早田ひなとのペアで女子ダブルスでは日本勢として４８年ぶりとなる銀メダルを獲得した伊藤美誠は、“平成最後の日”であるこの日に、「世界チャンピオンになれなかったっていうのが、一番やり残したことかなと思います」と胸の内を明かした。

　今大会では、決勝戦で孫穎莎・王曼ユの中国ペアと対戦し、２ゲームを先取してから４ゲーム連続で落とし、優勝には届かなかった。勝負どころの第５ゲームでは９－９と競り合った場面で、早田のサービスが決まったかに見えたが、ネットにかかっていたとしてやり直しに。ＶＴＲでは当たっていないように見え、日本協会は判定について抗議文を提出している。

　シングルス（３回戦敗退）、ダブルス（準優勝）、混合ダブルス（準々決勝敗退）と出場３種目で頂点には届かず。「１つでも優勝して帰ってきたかったので、そこは平成でやり残したことかなと思う」と率直に思いを語った。「しっかり、令和になってから、ちゃんと優勝していいスタートを切れるように、また頑張っていきたいなと思っています」と意気込んだ。

　今後も中国選手は最大の壁であり、ライバルとなる。「中国の代表選手、スタッフさんもそうですし、１人の選手をすごく倒しに来ている」と、代表チーム一丸となって、日本を初めとする対戦国の選手を研究していたと実感したという。含めて「（試合で出せる力が）６割、７割でも勝てる選手になっていきたいなと思っています」と実力の底上げが必須だとし、女子ダブルス決勝の判定などを念頭に、「こういう負けをして、絶対次はやり返してやるぞっていう思いになれたので、プラスにとらえて、いい方向にいきたいなと思います」と雪辱を誓った。