大関高安、元稀勢の里に完敗 三番稽古で胸借りるもまさかの1勝20敗
「大相撲夏場所」(12日初日、両国国技館)
大関高安(29)=田子ノ浦=が2日、都内の部屋で初場所で引退した兄弟子、元横綱稀勢の里(32)の荒磯親方と三番稽古し、1勝20敗と圧倒された。
立ち合い、全力でぶち当たったが、どっしりと受け止められ、力負け。左四つで組み合っては寄り切られた。春巡業の疲労が残る中とはいえ、親方の強さが際立った。
「思い切り当たる稽古はできた。体もすごくためになる稽古ができた」。この日のテーマは立ち合いの当たりに置いていただけに、稽古内容は悪くない。
とはいえ、ここまでの完敗は予想外。春巡業終盤は怪力の元大関で関脇栃ノ心(春日野)と三番稽古を行い互角のパワー勝負を演じ調子を上げてきた。その現役ばりばりの大関が歯が立たなかった。
「左四つは天下一品ですね。勝てない自分もおかしいけど。力強い方ですから。勝てるようになれば、毎回勝ち越せるようになれば本場所でも負けない。胸を貸してくれるのは幸せ。期待に応えられるように。一番腰が重い。やってる中では一番腰が重い」と、脱帽した。
最高で最強の稽古相手の胸を借り、本番まで仕上げていく。「番数がすべて。力の抜いた稽古はできない。力を出し切る稽古をたくさん重ねるしかない。やってるうちにもっと伸びてくる」と、気を引き締めた。
平成生まれで関取第1号。平成は初優勝をあと一歩で逃し続ける悔しい思いで終えた。新元号「令和」でこそ反撃。「一つの区切り。気持ちを新たに取り組みたい。成長した姿を見せられるように」と話した。