貴景勝、申し合いで3勝8敗と振るわず 北の富士氏が苦言「もっと元気に」
「大相撲夏場所」(12日初日、両国国技館)
夏場所に向け横綱審議委員会(横審)による稽古総見が6日、東京・両国国技館で行われ、新大関として初参加した貴景勝(22)=千賀ノ浦=は三役以上の申し合いで11番取って3勝8敗と振るわなかった。視察した元横綱で解説者の北の富士勝昭氏(77)は活気のない稽古内容に嘆き節を連発。八角理事長(元横綱北勝海)も物足りなさを指摘した。本人は稽古と本場所は別物と強調。新元号「令和」初優勝を目指し、調整に不安はない。
新時代の星へ期待が大きいゆえの物足りなさだ。貴景勝が“新大関お披露目”の稽古総見で3勝8敗。大関高安を電車道で押し出す会心の内容もあったが、横綱鶴竜、大関豪栄道にはともに2戦2敗。ど迫力の突き押し全開とはいかなかった。
視察した北の富士氏は「時代も(令和に)変わった。もっと元気にいってほしかった。俺だってヒマじゃない」と残念がった。さらに全体的に低調な稽古にため息。「期待して来ただけにガックリ。シーンとしてて、お通夜だよ」と、嘆きは止まらなかった
八角理事長は「俺もそうだったけど稽古場は押し相撲は大して強くない。本場所と違う」と、かばいながら「もうちょっと前にもっていく相撲があってもいいかな」と注文した。横審の矢野弘典委員長(産業雇用安定センター会長)は「本場所に強い力士。これから調子を上げる」と話した。
貴景勝本人に不安は一切ない。「角界で一番強い人と肌を合わせて脳に感覚が残る。いい収穫」と充実。稽古と本場所は別物と強調し「勝負より自分を高める」と初日だけを見据えた。“低評価”は本場所、令和初&新大関Vで倍返しだ。