高安、貴景勝との30番で17勝「前に出て勝負するのがテーマ」
「大相撲夏場所」(12日初日、両国国技館)
二所ノ関一門の連合稽古が8日、千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋で行われ、大関高安(29)=田子ノ浦=が新大関の貴景勝(22)=千賀ノ浦=と30番取って17勝13敗と勝ち越した。前日の連合稽古は疲労を考慮し休養。この日、新大関を猛稽古で“歓迎”した。
低く弾丸のような貴景勝の当たりに一方的に押し出されるなど序盤は苦戦。立ち合い、押し込んでも突き落とされてバッタリ倒れる場面も目立った。
2勝5敗とリードされたが中盤以降、「体が温まってきて腰が曲がり、力が入るようになった」と盛り返した。馬力勝ちで押し出し、左四つに組み止める形も発揮。スタミナで勝ちした終盤は4連勝して星数を逆転した。
「当たって前にグイグイ攻めることを考えていた。前に出て勝負するのがテーマだった」と納得顔。序盤は前に落ちる姿も目立ったが、「前に出てるからよし、としよう。一度も引く場面がなかった。落ちないのがいいけど課題。前に圧力かけて引いてきたところを出られたら」と、今後の修正材料とした。
2日以降、兄弟子の荒磯親方(元横綱稀勢の里)の胸を借り、連日、20番以上の番数を重ねてきた。馬力で親方に圧倒され続け、「左四つであんなに腰が重い人はいない。自信になる。自分が弱いんじゃないかと勘違いする」と、猛烈指導を受け肉体を追い込んだ。
さすがに疲労がたまり、6日の横綱審議委員会の稽古総見では精彩を欠いた。そのため前日は休養。「休むことは好きじゃないけど少し疲れを取って。体のケアにあてた。非常に体が軽くて動きが良かった。スタミナはまだまだ。まだ20も30番もいける」と、リフレッシュ効果で本来のパワーを取り戻した。