原大智 夏冬五輪W獲りへ“二刀流”宣言 モーグルでも金!ケイリンでも金

 昨年の平昌五輪フリースタイルスキー・男子モーグル銅メダリストで、競輪選手を目指す原大智(22)が9日、静岡県伊豆市の日本競輪選手養成所で行われた候補生入所式に出席した。特別選抜試験に合格し丸刈り姿となった原は、モーグルとの前例なき“二刀流”実現に意欲を示し、モーグルで22年北京五輪での金メダル獲得、またケイリンでも将来的な夏季五輪出場、金メダル獲得の夢も語った。男子117期の71人、女子118期の21人の計92人が候補生として、この日入所した。

 前代未聞の挑戦が始まる。青々とした丸刈り頭で入所式に臨んだ原は式典後、「やってやろうという気持ち。失敗は怖い。でも“絶対成功させてやる”と思ってる」と、モーグルとの“二刀流”への熱い思いを語った。

 1年間、全国各地の競輪場を回りながら、激しい競争に身を投じる競輪の世界。転向はあっても、過去に他競技のトップ選手と両立した前例はない。養成所の滝澤正光所長も「記憶にない。もし原候補生が目指すなら初めて」と話した。原自身も競輪選手となった後のプランについて「まず(競輪の)プロになってみないと。システムも分からないので」と、はっきりとは展望を描けていない。

 それでも、どちらも手を抜くつもりはない。養成所入所で“1年間”の空白を作ることになるモーグルについても「トップに戻れる自信はある」と話し、22年北京冬季五輪にも「出たい。北京で金メダルを目指す目標は変わっていない」と、キッパリと言い切った。また、ケイリンでの夏季五輪出場、金メダルへの挑戦についても「もし資格を得られるなら絶対に目指したい。(20年)東京は無理。(24年)パリは可能性があるならつかみ取りたい」と力を込めた。

 5年前からモーグルナショナルチームの君島トレーナーに誘われ、平昌五輪前には決めていたという競輪挑戦。入所に向けて、師匠となるS級1班の和田圭(33)=宮城・92期=の元で練習を積んできたが、現状での実力は未知数。原自身も「不安はある。まだド素人なので。自転車の使い方も危うい」と率直に話しながら「やっていけば強くなると信じてる」と前を向いた。

 「スポーツを職業にして稼げるのに魅力を感じた。甘くない世界だけど、まずはプロになることを第一にやっていきたい。ならないと僕の人生は切り開けない。日本が誇るようなスポーツ選手になりたい」。1年前の冬季五輪でダークホースから一気に表彰台へ駆け上がり、世間を驚かせた無類の勝負強さの持ち主。誰も通ったことのない、道なき道を切り開いていく。

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