失格侍…男子400mリレーで桐生へのバトン乱れ悪夢「緩みがあったのかも」
「陸上・世界リレー」(11日、日産スタジアム)
男子400メートルリレー予選が行われ、リオデジャネイロ五輪銀メダルの日本は多田修平(22)=住友電工、山県亮太(26)=セイコー、小池祐貴(23)=住友電工、桐生祥秀(23)=日本生命=の新オーダーで挑んだが、バトンパスで違反があり失格となった。今大会での世界選手権(9月開幕・ドーハ)の出場権獲得はならなかった。その他の日本勢は男子1600メートルリレーが決勝に進み、女子の400メートル、1600メートルリレーは予選敗退。混合1600メートルリレーは3組5着で敗退もタイムが全体11番目となり、世界選手権出場権を手にした。
銀メダルのリオ五輪、銅メダルの17年世界選手権からメンバーと走順を大きく変更した新リレー侍の“試し切り”は、まさかの自滅に終わった。
序盤から米国、中国ら強豪を抑え、首位を快走。しかし、3走に抜てきの小池と代表初アンカーとなった桐生の間で、バトンが上手く繋がらず、競技規則にある「手渡し」が成立せずに失格。ゴールが認定されれば、全体9位で決勝は逃しても世界選手権出場権を手中にできたが、それも消滅。桐生は「リレーの難しさを改めて感じた」と天を仰いだ。
小さなミスの積み重ねが痛恨の事態を生んだ。まず2走の山県と3走の小池のリレーで、通常よりもバトンの真ん中を持つ形に。「いつもと違う感じになって、“近づいて渡さないと”と思った」と小池。そして、桐生はスタート直後によろけた。「後ろを振り返ったと勘違いしてブレーキをかけた」(小池)。距離感はバラバラに。結果、バトンパスの場面で両者の手が重なり、ファンブルした。最後は小池が右ひじでトスし、宙に浮いたバトンを桐生が取る形となり失格となった。
「バトンは失敗しないだろう、という緩みがあったのかも」と桐生。東京五輪で金メダルを狙うリレー侍。この苦い経験を良薬にするしかない。