平野歩夢、スケボーはスノボと「似ているが全く別物」体の動きに競技性、落下の危険性

優勝した平野歩夢
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 「スケートボード・日本選手権」(12日、村上市スケートパーク)

 パーク男子決勝が行われ、冬夏五輪出場を目指すスノーボード男子ハーフパイプ五輪2大会連続銀メダルの平野歩夢(20)=木下グループ=が65・70点で初優勝。東京五輪代表争いに直結するポイント対象大会に派遣される強化選手への選出も決まり、ついに二刀流へのスタートラインに立った。

 専門外であるスケートボードで日本一になった平野は「(優勝は)全く想像してなかった。簡単な道ではないことは理解しているので。スノーボードでも日本で一番になることはすごく大変なので」と感慨深げ。その上で、勝手知ったるスノーボードとは「競技として全く別物です」と改めてきっぱり断言した。

 板に乗る“横ノリ系”という点では共通しているものの、スノーボードは足が板に固定されているため、技に入る際は体を投げ出すように入る。一方、足が固定されていないスケートボードの場合は足に重心を乗せるため、技に入る際は逆に足を持ち上げるようにして板を操る。「体の動き方は全く違う」というのはそのためだ。

 競技性も異なる。エアー(空中技)の高さや難易度を競うスノーボードのハーフパイプに対し、スケートボードではフリップ(板を回転させる技)やグラインド、スライド(コースの淵などに板や車輪を引っかけて滑る技)などの細かなスキルも重要だ。

 また、堅いコンクリート上に落下するスケートボードは大ケガのリスクとも常に隣り合わせ。スノーボードとは違って板と体が分離しているため、エアー(空中技)などに失敗した場合、足をうまくつかって衝撃を吸収しなければ全身に大ダメージを食らう。

 「やり方が全然別物。乗ってる物(ボード)は似ている雰囲気があると思うが、実際にやってみると、こっち(スノボ)がうまいからこっち(スケボー)もうまいというのは現実的にない」と実感を込めて言い切った。

 ただ、実現困難な両立だからこそ人に大きな夢を与えることができる。「何かを失いながらチャレンジしている」と折に触れて話す平野は「どっちも中途半端になる可能性だってある」と不安があることも明かしつつ、「何かを失ってでも何かを得ようという、他の人にはない気持ちだったり、精神的な強さが生まれる」と力説。競技の枠にとどまらない“人間的な強さ”を追い求め、似て非なる板に乗って真夏の祭典を目指す。

 ◆スケートボードの東京五輪への道 東京五輪から新種目となるスケートボードは「ストリート」と「パーク」の2種目が行われる。各種目20選手が出場し出場枠は1国最大「3」。これまでに大会実績のない平野は、今後海外で開催予定の対象大会でポイントを稼ぎ、来年6月頃発表の世界ランキングで上位に入れば五輪出場権を得られる見込み。また、来年5月頃開催予定の世界選手権で上位3人に入っても五輪に出場できる。

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