平野歩夢スケボー圧勝!1本目の記録で全選手3本終えトップ 冬夏五輪へ大前進
「スケートボード・日本選手権」(12日、村上市スケートパーク)
パーク男子決勝で、冬夏五輪出場を目指すスノーボード男子ハーフパイプ五輪2大会連続銀メダルの平野歩夢(20)=木下グループ=が65・70点をマークし初優勝した。3位だった3月の日本オープンとの総合成績でトップとなり、強化指定選手にも決定。東京五輪代表争いに向けてランキングポイントを稼ぐ必要があるが、早ければ対象大会となる6月のデュー・ツアー(米カリフォリニア州・ロングビーチ)が海外初戦となる。
平野の、平野による、平野のための大会にした。「(優勝は)全く想像してなかった。簡単な道ではないことは理解していたので」。決勝の1本目でいきなり1回転半する空中技の「バックサイド540」を成功させ、コースの淵に板を引っかけながら滑るグラインド技も駆使。スケートボードならではの技で場を“制圧”すると、ギャラリーはもちろん、ライバル選手もボードで床をたたいて賛辞を送った。
1本目で記録した65・70点は全選手が3本目を終えた時点でもトップ。最後の平野の3本目はウイニングランとなった。「スノーボードでも日本で一番になることは大変。結果を残せるとは思ってなかった」。捻挫した左手首に痛みが残るものの「意地というか、アドレナリンが出たかな」と汗をぬぐった。
郷に入りては郷に従え-とばかりに第一人者である笹岡建介(20)とは3月の日本オープンを機に急接近。「(笹岡は)ずっと海外で戦ってきた経験もあって刺激はある」。プライベートでも一緒に過ごす時間が増え、練習を共に行い、吸収できることは吸収し“人の畑”に順応した。
五輪挑戦権を獲得したが、ここからは猛者が集まる海外大会が主戦場となる。日本代表の西川監督は「日本のパーク男子は経験がまだ浅い。世界では中盤の上くらいだが、決勝に残る(上位8人)くらいじゃないと五輪は厳しい」と現状をみるが、経験がないだけに可能性も未知数ともいえる。平野は「海外選手を目の前に戦えるだけでもすごく収穫。動画で見るのとでは全然違うし、大きな糧になる」と次のステージに向けて期待に胸を膨らませた。