体操の世界選手権（１０月、シュツットガルト）代表選考会を兼ねるＮＨＫ杯（１８日開幕、武蔵野の森総合スポーツプラザ）を前にした１７日、試合会場で前日練習が行われた。男子は今大会の上位３人が個人総合枠で代表に決定する。４月の全日本選手権を連覇し、首位で臨む谷川翔（２０）＝順大＝は「調子は良いわけでも悪いわけでもなく、普通。全日本も普通だったし、ちょうどいいんじゃないかと思う」と、自然体で語った。

　これまで日本の体操をけん引してきた内村航平が、全日本でまさかの予選落ちとなり、今大会は不在。「内村さんがいないのは、僕も変な感じというか、なんだろう、変な感じがします」と、戸惑いの表情を浮かべた。昨年は内村に劇的な逆転優勝を許しただけに「内村さんが下から追い上げてくるのは、誰よりも怖かった。内村さんが１番怖い。そういう意味では今回はその怖さがないけど・・・」と話しつつ「一緒に戦って勝ちたかった」と、明かした。

　昨年は最終種目の鉄棒で落下し、優勝も世界選手権の切符も逃した。「ＮＨＫ杯は今でも怖い」と、率直な気持ちを明かしながら「悔しい気持ちは忘れずに、嫌なイメージは忘れてノビノビやりたい」と、トラウマ払拭を誓った。