貴景勝 19日から再出場へ 千賀ノ浦親方に直訴、右膝回復を確認
「大相撲夏場所・7日目」(18日、両国国技館)
4日目の小結御嶽海戦で右膝を負傷し、5日目から休場した新大関貴景勝(22)=千賀ノ浦=が8日目の19日から再出場することが18日、決まった。17日の深夜、本人が師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)に出場を直訴。患部の回復を確認し親方も認めた。
「右膝内側側副(そくふく)じん帯の損傷で加療3週間」の診断。親方も「無理をして相撲人生を終わらせるわけにはいかない」と再出場は厳しい見通しだったが、急転の強行出場だ。
この日、朝稽古後に都内の部屋で親方が対応。「昨日夜遅くに本人が治療から帰ってきた。『16日の夜、急に痛みが引きました』と。本人が『大丈夫』と言ってきた。足の曲げ伸ばしをやらしたけど表情を見たら無理して我慢してやってるようには見えなかった。治療の先生にも『大丈夫なのでは』と言われた、と。本人とじっくり話して私もよしっということで」と話し合いの末、決断に至った。
本人は「自分の相撲が取れます。余計なことを考えず前に出る相撲を、突き押しに徹した相撲を取る」と、話していたという。
悪化させれば、力士人生にも影響しかねない。突き押し相撲の爆発力を生む膝だけに不安はある。親方は「少しでも違和感があったら俺に言え、と。痛みが走ったら休ませる。突き押しでいつもの相撲で下がるような相撲は取らないでくれ」と伝えた。患部は専門家の指導の下、テーピングでがっちり固める予定だ。
新元号「令和」初の本場所で新大関として一身に注目を浴びた。責任感からの再出場は大きなリスクも背負う。親方は「大関の責任はあるけど、本人がとにかく相撲を最後まで取りたいという気持ちが大きい」と弟子の思いを代弁した。