リレー侍、失格から復活V 小池「バトンミスの動画を毎日見た」今季世界最高記録
「陸上・セイコー・ゴールデングランプリ大阪」(19日、ヤンマースタジアム長居)
男子400メートルリレーで日本(多田、山県、小池、桐生)が38秒00の今季世界最高記録で優勝。2位の米国(ベルチャー、ガトリン、ウィリアムズ、バレル)に0・73秒差をつけた。
1週間前の世界リレー大会(横浜)では3走から4走へのバトンパス違反で失格となった。この日は3走の小池祐貴(24)=住友電工=から4走の桐生祥秀(23)=日本生命=へのバトンパスが成功すると、観客からは拍手と安どの声があがった。「ちょっと恥ずかしかった」と言う小池だが、この1週間は反省の日々。「他国のいろんなバトンミスの動画をほぼ毎日見ていた」と言う。
世界リレーでの失敗後は「またやったらどうしよう」と不安にも見舞われた。「ショックが大きかった。前に気持ちを向けるために行動に移した」と振り返った。「練習ではうまくいっても本番では受けも渡しもどちらもトラブルがあるかもしれない。(さまざまな動画で)こういうことがあるんだと確認し、こうなると失敗して落とす、こうなると失敗しても落とさないと(確認した)」と失敗を糧にした。
2日前には4人でミーティングも行い「つまりすぎたら」「手を握ってしまったら」とあらゆる状況を想定。綿密に対処法を確認した。この日は4人全員がリレーの1時間前の男子100メートルを走るなど過密スケジュールの中での好記録。37秒台も十分視野に入っており、「世界陸上では優勝を狙える」と小池はたくましく語っていた。