阿部詩、復帰戦は不安との戦い「怖い部分もある」自己最長6カ月ブランク、左肩負傷…
柔道女子52キロ級世界女王の阿部詩(うた、18)=日体大=が21日、6カ月ぶりの実戦となるグランプリ(GP)フフホト大会(24日開幕、中国)への出発前に成田空港で取材に応じ、「怖い部分も少しあるので、それをいいプレッシャーに変えていけるようにやっていきたい」と意気込みを語った。
阿部は今年の世界選手権(8~9月、日本武道館)代表を早期に決めており、昨年11月のグランドスラム大阪を最後に大会には出場せず独自調整を続けていたが、2月の練習中に左肩を負傷。4月には再び同箇所を痛めており、本格的に練習を再開したのは5月に入ってから。まだ日常生活などで痛みを感じることもあり、状態は「7、8割くらい」というが、ケガを抱えた状態で五輪などの大一番を戦うことを想定する狙いもあり、今大会の出場を決めた。
「世界選手権でしっかり100%(の状態)に持っていけるようにと考えているので、今は7割8割でも勝てるように」と話し、「(負傷によって)自分が描いていたルートからは外れてしまったけど、そういうこともある。それも踏まえて、どう試合で自分の力を出せるかが楽しみ」と、不測の事態すら俯瞰(ふかん)して楽しむ境地をのぞかせた。
半年も試合間隔が空くのは自己最長ブランクだというが、「意外とそんなに緊張してない」。海外勢から徹底対策されることも必至で、きれいに投げられない展開が予想されるものの、「自分の柔道をできない場面だったり、我慢しないといけない場面が多くなると覚悟して臨むので大丈夫」と想定内と強調。有力選手は出てこないだけに、自身の中にあるあらゆる不安要素との戦いが復帰戦のテーマとなりそうだ。