原田海が予選1位で決勝進出「ホッとしてます」 リード唯一完登
「スポーツクライミング・複合ジャパンカップ」(25日、石鎚クライミングパークSAIJO)
東京五輪と3種目複合で争う大会の予選が行われ、男子は18年ボルダリング世界王者の原田海(20)=日新火災=がボルダリングとリードで1位、スピード6位となり、全体トップで上位8人が進む決勝進出を果たした。藤井快(26)が2位、楢崎智亜(22)、明智(20)兄弟=いずれもTEAM au=が3、4位となった。女子はダブルエースの野中生萌(22)=XFLAG=が1位、野口啓代(29)=TEAM au=が4位。男子上位4人と、野中、野口は強化指定Sランクのため、予選突破時点で8月の世界選手権(八王子)代表に内定した。
猛(たけ)る思いを胸に秘め、涼しい表情で世界切符を手にした。予選1位で決勝進出を決め、世界選手権代表を決めた原田は「(世界選手権は)今年一番大事な大会だし、出ないことには始まらない。ホッとしてます」と端正なマスクを緩めた。
世界の頂点を極めたボルダリング力に加え、スピードで自己ベストを更新し、リードでも唯一の完登と、残り2種目も着実に力をつけてきた。「1位通過は狙ってたわけじゃないけど、調子を考えたら、あり得ると思っていた。スピードは更新できるポテンシャルはあると思っていた。リードはボルダリングのシーズンでも、コツコツ持久力の練習を積んできた成果が出た」とうなずいた。
大阪・岸和田市出身で、中学時代まではだんじりを引いていたという20歳。クライミングへの“効果”は「全然ない」と笑うが、「どの競技に対しても全力で目の前のことに取り組める。守りに入らず常に全力で挑戦できる」という男気メンタルの持ち主が、初優勝に挑む。