野村忠宏氏、尽誠学園高で熱血指導「続けたからこそ見える世界がある」
柔道五輪3連覇の野村忠宏氏(44)が24日、大塚製薬が主催する部活動応援プロジェクト「エールキャラバン」の講師として香川県善通寺市の尽誠学園高を訪問。全校生徒を前に講演を行い、柔道部で熱血指導した。
柔道界のレジェンドが、香川の“金の卵”たちに熱いメッセージを届けた。
野村氏は「エールキャラバン」の講師として尽誠学園を訪問。まずは体育館で全校生徒を前に講演を行った。
映像を交えながら自身の高校時代などを振り返り、「勝てない時も、柔道が強くなりたいという気持ちをずっと持ち続けた。地道な努力の積み重ねしかない」と熱弁。「何もしない人、口だけの人、言い訳する人、人のせいにする人が一番ダサい人」と語り、「続けたからこそ見える世界がある。好きなものと出合えるまでチャレンジし続けよう」と生徒たちに呼びかけた。
約40分間の講演を終えると柔道場へ。真っ白な道着に着替えて畳の上に立ち、県内の強豪として知られる柔道部の部員10人に直接指導を行った。
準備運動のあと、自身の得意技「背負い投げ」のかけ方を伝授。実際に組み合いながら足の運びや引き手の使い方、打ち込み練習の方法などを細かく教え、「最初はぎこちなくても、一つ一つの動きに意識を持って1万回、10万回と繰り返すことで、技が自分の体に染みこんでいく」とアドバイスした。約1時間半の指導の最後には「努力している自分に満足するな。自分を追い込むことで自信につながる。苦しんで苦しんで、常に進化できるように頑張ってください」とエールを送った。
アトランタ、シドニー、アテネと五輪3大会連続で金メダルを獲得した野村氏の熱い指導に、10人の部員も真剣な表情で耳を傾けた。内池遥希主将(3年)は「野村さんに打ち込みを受けてもらったけど、高校生とは圧力が全然違った」と感激の表情。山下優人選手(3年)は「試合のように練習しないといけないと教わった。自分の甘さを克服して強くなりたい」と話した。
同部は6月1、2日に県総体に出場する。内池主将は「最後の総体を前に、すごくいい刺激をもらえた。団体と個人の両方で優勝することが目標。野村さんのアドバイスをしっかり試合に生かして勝ちたい」と力強く誓った。