クリケット転身の元DeNA・山本 天国の父にも報告「びっくりしていると思う」
クリケット選手に転向することを発表した元DeNA・山本武白志(21)が27日、都内で会見。将来的にオーストラリアでプロになることを目標に掲げ、「野球は終わったこと。クリケットを学んでいきたいという、その思いが強いです」と語った。
巨人やロッテで活躍した故山本功児氏の長男。2015年に育成ドラフト2位でDeNAに入団したが、昨季限りで戦力外となり現役を引退した。
昨年12月に知人の勧めでクリケットに興味を持ち、実際に映像を見て「面白そう」と転身を決意。今年3月には競技が盛んなオーストラリアを訪問。現地でプレーし、その思いを強めた。天国の父親にも報告したが、「誰もクリケットをやるとは思わなかったと思う。(父も)びっくりしていると思う」と笑った。
現在は日本クリケット協会の本部がある栃木県佐野市で生活。佐野クリケットクラブに所属して練習や試合の経験を積み、オーストラリアでの挑戦に向けて準備を進めているという。クリケット協会によるとプロ野球経験者のクリケット挑戦は、西武などでプレーした木村昇吾に次いで2人目だという。
「バットとボールを使うのは一緒だが、似ているようで似てない。別物。野球ができるからクリケットができるわけではない」と山本。同じくプロを目指す木村昇吾の存在も大きく、「練習も何回かやらせてもらい、いいアドバイスをしていただいている」と感謝した。
ただ、ここからの道のりは険しい。現在は週6日、ラーメン店でアルバイトをしながらのアパート暮らし。平日は仕事終わりに週3日のチーム練習、土日は練習や試合後にアルバイト先へ向かう。
日本の競技人口は3500人ほどだが、山本がプロを目指すオーストラリアの競技人口は200万人程度。そして、約200人がプロ契約を結んでいるという。
ハードルは高いが、日本のプロ野球と同じように億単位の年俸を稼ぐ選手もいる夢の世界。山本は「もちろん、そうなりたい」とトッププロへのあこがれを口にした。